代表理事 赤井郁夫 インタビュー

出会ったからこそ、
最後まで

志を同じくする
学習支援ボランティアが
立ち上げた団体

2017年、尼崎市が募集した学習支援ボランティアに参加していた人たちが立ち上げたのが、「ひと房の葡萄」。その代表理事を務めるのが赤井郁夫さんだ。
赤井さんが学習支援を続けるなかで、気づいたことがある。それは、多くの子どもたちが、全然勉強に集中していないということ。「最初は、なんとか勉強させようと頑張ったんですが、どうしてもできない。なぜだろうと考えた結果、この子たちは家庭でケアをされていないことに気づいたんです」。

「ケアが必要な子どもたち」を

どうケアしていくか

ケアを提供する場所をつくりたいと、常設の場として築70年の平屋の一戸建てを借りた。
「いつでもだれでも集まれる場所がほしい」が、赤井さんたちの願いだった。
「昔ながらの平屋。子どもたちが騒げば、近所の方が『うるさい!』と怒鳴りこんでくることも(笑)」。
多くの子どもたちが通ってくるようになった。そのなかに、親に「高校には行かなくてよい」と言われていた中学生がいた。周りのアドバイスもあり高校進学し、卒業後無事に就職。学習支援としては成功といえた。けれど、就職後、親の支援がなくなった。生活難になり、一時行方不明になってしまった。

「学習支援だけだと、自立までのサポートができない。関わりができるまでには、もっと時間がかかる。出会ったからこそ、最後までサポートしたい。」。赤井さんたちは、もっと広い支援ができるシェアハウスをつくりたい、と思うようになる。

大阪茨木市に若年女性を支援する府営住宅ができたと聞けば、すぐに見学に行った。兵庫県庁にも赴いたが、県営住宅は空きがなかった。尼崎市営住宅を借りられないかと市に問い合わせたが無理だった。その時点では、まったく先が見えなかった。

市営住宅を借りられることで

新たな展開が

そんななか、尼崎市の市営住宅を地域の団体が借りられる、という連絡をもらう。市とコープこうべが連携したあまがさき住居環境支援事業「REHUL(リーフル)」が動き出し、空き家を利用した居場所づくりが可能になったのだ。すぐに「借りたい」と伝えた赤井さん。事務所、子どもたちの居場所や学習支援の場として2戸。自立支援型シェアハウス用に2戸。合わせて、4戸借りることにした。一気に、動き出した瞬間だった。

広がりをみせる活動

年間360日オープンしている子どもたちの居場所。入居者に寄り添い、日常生活で必要な知識を身に付けていくシェアハウス。
現在利用登録している子どもたちは約25人。「お正月は開けないの?」と子どもたちに聞かれたことも。シェアハウスも、入居者それぞれの希望を聞きながらフラットな関係づくりを意識して運営している。
「自分たちも居場所をつくりたいと問い合わせがあったり。すでに、実現した人もいるんです」とすごくうれしそうに話す赤井さん。「出会ったからこそ、最後まで」の精神は、少しずつ広がりをみせている。

ご支援のお願い

子ども服のリユース事業「ふくふく@スペース」を中心に、
ひと房の葡萄へのご支援をお願いしています。

【直接銀行口座振り込みをする場合】

●住信SBIネット銀行
名義:一般社団法人officeひと房の葡萄
支店名:法人第一支店
支店番号:106
口座番号 2124826
●ゆうちょ銀行
名義:一般社団法人officeひと房の葡萄
口座記号:00950-1
口座番号:239607

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法人概要

団体名称
一般社団法人 office ひと房の葡萄
所在地
〒660-0054
兵庫県尼崎市西立花町4丁目1 今北団地3号棟104
設立年月日
2017年9月19日
役員
代表理事 赤井 邦夫
理事 槙 邦彦
理事 中川 雅道
理事 城田 陽子
監事 向 牧子